我が社のマニュアルか…欲しけりゃくれてやる…探せ!!!
この世の全てをどこかに置いてきた。
ひと繋ぎの大秘宝「マニュアル」は存在しない
オープニングは僕が大好きなワンピースの有名なセリフです。
財宝をマニュアルに変えているのは、マニュアルは大秘宝だと考えているからです。
けど、事務所中を大航海しても一向に見つかりません。
そう、我々のような中小企業ではマニュアルなんてないことがほとんどなのです。
「みんなこうやってるから」
「習うより慣れろ」
建設業では特にその傾向が強いなと日々感じております。
ただこのやり方が正しいとされているのは、そのやり方で鍛えられた職人さんたちはとてつもない地力がある体と同時に思いますが、現代ではそのような抽象的なやり方だけでは適切ではないんじゃないでしょうか。
これらのような現状になった理由を3つ挙げます。
①職人さんたちは仕事で目一杯
一つ目は職人さんたちは現場の仕事に集中し目一杯やってくれてるということです。
多くを望まないでいい。
これで十分すぎるじゃないかと僕は思います。
工期に追われながら必死に仕事をしてくれている中で、それに加えて経験が浅い人の指導を職人さんたちがしてくれなんて負荷が重すぎる。
そのおかげで仕事の精度を欠いては元も子もありません。
それに、急に誰かを指導する管理職の様な立場を担ってくれと言われてもすごく厳しいでしょう。伝え方や考え方を教えるのは想像以上に難易度が高くエネルギーを使う仕事です。
②父親(社長)も仕事で目一杯
当社は設立して15年ですが、現場のこともバックオフィスのこともほとんど父親が1人でやってきました。
「全部1人でやってたの?!お父ちゃんすごいね」って何度も他の会社の方に言われました。
そんな父親が後進の育成や社内整備に割く時間は無かったのも頷けます。
それに加えて現場叩き上げ仕事バリバリのイケてる親父ですから、誰よりも習うより慣れろが過酷な時代に最前線で仕事してきたことへの自信もあるのかと。
③今まで上手くいっている
会社設立後からの全決算書に目を通しましたが、一定の売り上げと利益がずっと確保され続けていたことに単純に尊敬しました。(なに不自由なく健康に育ててくれてありがとう)
決算書に目を通し、今までのヒストリーも聞きまして。
なまじ今まで上手く行っているからこその落とし穴でもあるなとも思います。
上手くいっていると人間はそのやり方が正しいものだと思い、変化をすることを避けて然るべき生き物です。変化することにより悪い方向に転ぶ方向もあるからですね。
脱!抽象企業に向けて
まず初めに、今働いてくれているみんなに無理やり変化を強いることはしたくないし、するつもりもありません。シームレスに変化できるよう進めていきたい。
具体的に何をするのか。
マニュアルの作成と現場情報の精製です。
僕が実際に現場に出てみて思ったのは
「覚えることが多すぎる!!!」
「専門用語多すぎる!!!」
「理解できるまでもう少し待ってよ!!!」
って心の中で泣き叫びながら現場仕事をしています。今でもです。
僕は立場もそうですし、子供の頃から知っている社員さんも多いから迷いなく聞けますが、新しく入った人は気を遣うことも多々あるのではないかと想像できます。
また、仕事を円滑に進める面でもそうですが
全く理解できていない状態での質問と、50%ぐらい理解できている状態の質問を比べればその精度は明らかに違ってくるでしょう。精度の高い質問は無駄な時間もストレスも省けます。
そのために以下の2点に力を入れていきたいと力を注いでおります。
①用語や基礎が理解できるマニュアル。
道具や材料の名前は覚えておいて損はありません。
また、仕事のやり方は現場で学ぶとしても、その作業自体の意味や仕組みをあらかじめ理解しておくことで、知識と経験の浸透度に大きな違いが出てくるのではないかと考えております。
②図面の3D化
想像力が何よりも大切であると僕は考えていますが、全く分からないことは想像も容易ではないでしょう。
例えば
現場から支給される図面はほとんどが2Dで、イメージはこのいちごパフェです。
この〇mm下がムース点、〇mm下がフレーク点の様に書かれています。
仕事を理解している方には容易に中の構造が理解できるかと思いますが、経験も知識もない人間はそう簡単にはいきません。
対して僕がやりたいのはこの3Dこんな感じ…
美味しそー!!!
そこちゃいますね。
中身が完全に見えるだけで完成図が容易に想像でき、経験がなくても重ねる順番が分かりやすい。
3Dはもうすでにあるかと思いますが、この図面を社内の一定人数が簡単に作成可能な仕組みを作れるようにしたいんです。
そして未経験や経験が浅い方が入社してくれたら、自分が作ったマニュアルで知識の下地を作ること。その後に一緒に現場に出て共に学ぶ。今それが僕自身がすごく取り組みたいことです。
未経験者が仕事を楽しめることを目的としている他に、もう一つ狙いがあります。
現場で指揮を取る職長クラスがこの3D図面を作り可視化することによって、自身でみんなに説明する際により分かりやすく端的に伝えられるようになることを目的としています。
経験、未経験に関わらず今までより強みを伸ばすためのスキル向上を。
地道にやっていきます。